こんにちは、デザイナーのすてのすけ[LV.1]です。
前回の第2章で、企業は皆さんを商品だと考えていると書きましたが、そうすると皆さんの作るポートフォリオとはどういったものでなければならないのか、何となくご理解頂けるのでは無いかと思います。
つまり、皆さんの作るポートフォリオは我々から見たら「商品カタログ」に相当するわけですね。
では商品カタログにどんな情報があれば、貴方はその商品を購入することが出来るでしょうか。
例えばこのようなものだった場合はどうでしょうか。
例1:)どのページも似たような画像が並んでいて、
どこにもスペックの表記や、売りとなる機能が書かれていない
例2:)機能やコンセプトを紹介する文章がびっしり書かれていて、
見るのに時間がかかり、画像も小さくて数も少ない
どうでしょうか、これでは商品は購入出来ませんよね?
しかし現実問題として、上記のようなポートフォリオが毎年たくさん持ち込まれてきます。
決めかねるということは、悩むということですが、悩んだ場合私達はどうするのかというと、ほぼ確実に不合格にしていきます。
しっかり審査出来るものでなければ、候補として残しません。
私達はポートフォリオから、こういったことを見るようにしています。
①.他者に見られる、評価されるということをしっかりと意識して作っているか
②.個人の集大成と言うにふさわしい作品群であり資料、物量ともに十分に揃っているか
③.作品から明確なコンセプトや思想が見えるか
④.作品に対する熱意や愛情が感じられるか
貴方という商品のコンセプトは何なのか?
多機能さが売りなのか、繊細さやハイクオリティが売りなのか、はたまた処理スピードが売りなのか。
それらがしっかり伝えられる構成、内容になっているのかどうか。
カタログであるからには、しっかりとした主張がそこに見えなければ伝わるものも伝わりません。
「なんとなく並べてみました、良ければ買ってください」
といった受け身なものでは、見る側はほとんど心が動かされません。
なので「作品集」といった趣だけでは、私達は評価する上で物足りなく感じてしまいます。
審査する人間が求めているものは、貴方の魅力を正確に、かつ短時間で伝えてくれる、商品カタログなのです。
では次回は考え方や見せ方として参考にできる「意外なもの」について、お伝えしたいと思います。
次回、第4章へとつづきます。