ポートフォリオには答えがない。でも戦略は立てられる!【ポートフォリオ大解剖 第6章(全9回)】

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こんにちは、デザイナーのすてのすけ[LV.1]です。


どんなポートフォリオでも最後まで見てもらえなければ合格は貰えません。

こんな作りだったら正解という形はないので皆さんで創意工夫していただきたいのですが、全体の流れといった点からポイントを示して解説したいと思います。

これからあげる例は、こういった構成のポートフォリオであれば私達審査する側が見やすくて、しっかり審査出来ると考えているものです。


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ここに理想的なポートフォリオの一例を挙げてみました。
一番左が、表紙になります。

 


まずは何と言っても手に取りたくなる、印象的な表紙である必要があります。
(中身に期待が持てる、上手い、構成力が感じられる、といった印象を持てる物です)


何と言っても掴みは一番大事です。
最初に一番気合と魂の入った作品を持ってきて、まずは審査者に興味を持たせることが大切です。
また同時に、希望する制作パートを感じさせる作品であることが重要です。
(ここで何がしたくて入社したいのかを想定する事になるからです)

そこから得意なタッチで描いたものを数点続けて見せ、次のページを捲ることに期待感を抱かせるようにしなければなりません。
概ね最初の5ページぐらいまでが勝負の分け目となります

そのまま得意なものを続けても良いですし、画風や塗りのテイストの違うものを見せて、違った切り口をアピール出来るならそれに越したことはないでしょう。


次に完成度の高いデッサンや、画力の基礎などが分かるものを数点見せます。
基礎画力を見る物については点数は多く必要は無いので、厳選したもので有ることがベストです。

締めとして、趣味全開のレベルの高い作品を見せる。
完成度が高ければ、多くない程度に二次制作物などを入れても問題はありません。

最後にプロフィールや、お礼の言葉を入れたページを入れる。
プロフィールについては最初に入れる方も多いのですが、あえて最後に持っていく方がいくつかの理由から、より戦略的であると考えます。

時間があまり取れない中で現場スタッフが選考しようと思った場合、すぐに作品が見たいと思いますので最初にプロフィールがあっても、そこは見ずに飛ばしてしまいます。
それは、私達がプロフィールを見て興味を持ったから作品を見るわけでは無く、作品を見て興味を持った場合にプロフィールを見るからです。
その為、最後にある方が情報を得る上で流れが良く、また最後に確認する事で名前が記憶に残りやすいとも考えられます。


お礼の言葉は有るとプラス、無いとマイナスと言うわけではありませんが、昨今は入れてもらっていることが多いので、無いとやっぱり目立つということですね。
なので、無いことで気になるようであれば、有る方が問題ない、という考えとなります。


よく「目次はあった方が良いですか?」と聞かれます。
学生さんによっては凝った見開きの目次を入れてくる方も多いです。
ですがさっきの話からご理解いただけると思いますが、例えば開始からの5ページ中、2ページが目次という事になると実際の作品が残り3ページと言う事になるわけです。

何となくお分かりかと思いますが、目次はポートフォリオに必須ではありません
目次は有ると印象がアップするといった類のものでもありません。
無くても問題ないし、無ければ無いですぐに作品を見てもらえるという利点もあります。



これは実例ですが、目次の後の最初の作品ページを開いて確認して、そのまま閉じた事もあります。目次自体に何の工夫もなく、文字のフォントもWindowsのシステムフォントなどを使用しており、その次に出てきた作品も拙い感じのキャラクターの絵で、背景も無いバストショットだった、という様なケースです。
仮にこれが、目次が無かったらとしたら、作品を一つだけ見て閉じる事は無かったと思います。



こういったケースをどう考えるのか。
私達は目次であってもその人を評価する上で重要なもの(作品の一部)として見ています。
なので、もしそこにセンスが感じられなければ、その次を捲ることにも期待が持てないわけです。


このエピソードをどう考え、その結果目次を入れるのか、入れないのか?といった判断は皆さんにお任せしますが、入れるのであれば作品の一部として、目次にも注意を払ってください。


その他として、自信の無い作品なのであれば、あえて載せないといった判断も重要です。


載せてしまえば評価をされるので、自信の無いその作品にマイナス点は付いても、なんか頑張った跡が見られるからプラスにしよう、とはならないのが現実です。


下手だし苦手だけど沢山描いてきました!は一切評価されません。
もしデッサンに全く自信が無ければ、デッサンすら外す勇気も場合によっては必要です。



ただし、デッサンが無ければ落とすという企業も沢山あります。
作品の掲載の可否はすべて自己責任となるので、じっくり考えて決めていきましょう。


さて、紹介したこれらの構成はあくまでも一例に過ぎませんが、皆さんの参考になると思います。
こうなっていれば選考が通りますよ、とお約束するものではありませんので、その点は理解しておいてください。


その他の例として、作品がモーション映像作品がほとんど、といった場合の注意点も下にあげておきます。


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最近は3Dモデルやモーション、2Dアニメーション、それらを組み合わせた映像作品をメインでポートフォリオ制作をされている方が増えています。

そういった物を提出する場合では、基本的に機器のインストールが発生するUSBストレージとかではなく記録メディアで提出いただくのがベストです。


動画をギガ単位の容量の無圧縮AVIとかで入れてくる人が居ますが、企業が用意したノートPCの性能によってはディスクからの読み取りではカクついて見られないなどの状態になりがちです。
高品質な圧縮が行える互換性の高いコーデックを使用するなどして、ディスクからの読み取り再生でも問題のない形にしてください。


3DCG作品などは印刷だと細部が潰れる事も多い為、高解像度スクリーンショットを別途入れるなどしてもらえると、細部まで見ることが可能です。

モーションなどについては、歩き、パンチ、キック、の様にアクション毎に動画を入れてあるケースが多いですが、それらをダイジェスト的に繋げたものも用意して貰えると、総合的なスキル判断がしやすく動画の選び直しの手間も省けます。

1分を越えるような作品など、動画作品の数が多い場合、単体動画以外にダイジェスト版のプロモーション動画なども制作してもらっていると確認が捗ります。


集団制作などの場合、どのパートを担当したかを印刷してポートフォリオ内のメイキング等で補足してもらっているとイメージがしやすくなります。

映像作品がメインのポートフォリオについては作品集というよりも、メディアの中身についての解説書として機能するものを用意しましょう。


次回はこれまでの纏めに入りたいと思います。

 

次回、最終章へとつづきます。